店主雑感:「一人でやること」の限界について
12月になった。気づけばあっという間に、お店をはじめて4ヶ月と少し。最近バタバタすぎてまったくニュースレターを更新できていなかったのだけれど、たまには(というかおそらくそれが正しい使い方だと思うのだが)お店を日々営む中での雑感を書いてみようと思う。
まずたしかな手応えとして、少しずつ場として育ちはじめてきている感覚がある。ありがたいことに、よく来てくださる常連さん、わざわざ遠くから訪ねてきてくださる方々ともに、「こんな場にできたらいいな」と当初思い描いていたような時空間が実現しているとき、シンプルに胸が熱くなる。TALK LIVEに関しても、毎月がっつりと企画・運営するのは本当に大変なのだけれど、ありがたいことに「bookpondのトークイベントって企画が練られてていいよね」という声もちらほらと見かけるようになり、自分としても手応えのある内容が毎回展開できている手応えがある。一棚書店も良い棚主の方々に巡り会えて、そろそろ第二弾の募集をかけようかと思っているところ。場所貸しや読書会利用も素敵な方々に定期的に使っていただけるようになっている。もちろん棚づくりも飲食もイベントも場づくりもまだまだ未熟も未熟ではあるけれども、試行錯誤しながら良くしていく過程そのものが楽しいと感じられているのはいいことだ。あと大事な大事な売上に関しても、開店直後のボーナスというのはもちろんあるとは思うけれども、なんとか目標としていたような水準には達していて、ひとまずは悪くない滑り出し。
そして、実際に営む中で見えてきた課題感とかもけっこうあって、12月からはやや大きな変更点として、下記の方針変更を実行することにした。
・平日の営業時間は15-21時から17-22時に変更(日曜は13-19時のママ)
・毎月の特集棚は廃止。特集は不定期実施に。
その他、当初予定していたコワーキング機能は実施しないことにしたりと、大きめの方針変更はいくつかあって、ただそれぞれの意図を事細かに説明していると大作になってしまいそうなので、それはまた追々。
というわけで、総じてお店を営むのはとても楽しいし、お店を始めたからこそめぐってきた素敵な出会いや大事な学びもたくさんある。
のだけれど……ひとつ根本的に大きな問題として、ちょっとさすがに「一人でやることの限界」に直面している。
シンプルに年末で編集業のほうもかなり繁忙期になってきて全体の仕事量が溢れ出てきていることもあり、現状の週3営業を回すだけでもかなりいっぱいいっぱい。棚づくりから飲食、小さなイベントまで、細かく改善したい点やチャレンジしてみたいことはたくさんあるのだけれど、そこまで手が回らない状況になってしまっている。何より、多忙により、本を読んだり映画を観たり、そしてゆっくり休んだりする時間が全然取れなくなっているのが本当に身体的・精神的にまずい。
というわけで、2026年はできるだけ早く、bookpondのふだんの営業を手伝ってもらうスタッフを見つけたいと思っている。もちろん今でもイベントのときなど手伝ってくれる頼りになる仲間は何人かいるのだけれど、とはいえ色々な事情でその人たちに通常営業を手伝ってもらうのは厳しそうなので、やはり新たに仲間を探していくしかない。とはいえ、書店業務、カフェ業務、そして日々のSNS運用など、意外にやることは多岐にわたっており、特別な専門性は必要ないとは思っているが、自分で言うのも何だけれど前提として「編集」的な視点も必要なので、週に何回か安定して入ってくれて、信頼できるスタッフを探すのはけっこう難易度が高いのでは?とも思っている。
でも、とにかくいまの体制が限界であることは自明なので、前提として人文書への関心(≠専門性)やbookpondの世界観に共感してくださる方で、興味のある方がいらっしゃったら、ぜひまずは一度お話してみたい。最初は最低限のアルバイト代しかお出しできないとは思うのだけれど、他ではなかなかできない「編集」の経験や知見を得られるのではないかとは思う。個人的には、ちょっと前までの自分のように、フリーランスで編集やライター、デザインなどの仕事をメインでしていて、ただ週に何日かリアルな場づくりに関わってみたいと思っている人なんかは相性が良いんじゃないかとは思っている。が、とにかくまずはそれに限らず、関心がある人とラフにお話がしてみたい。
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