「本は港」トーク、そしてbookpondの2025年の集大成へ
昨日は「本は港」初日のトークイベントに登壇。ZINEとはなにか、いま面白いZINE、書店としてZINEとどう付き合っていくべきなのか。和氣さんと石田さん90分の間にかなり濃密に詰め込まれた、いいトークセッションになったのではないかと思っている。あらためて思ったのは、ZINEは独立系書店・書き手・読者が一体になってムーヴメントを引き起こす求心力がものすごく高いということ。そして中間業者が少ないぶん経済合理性も意外に高くなりやすく、あらためて書店としてもかなり可能性を感じる「商材」だと感じた。土曜朝から聴いてくださった方、ありあがとうございました。アーカイブ配信などはないみたいですが、またどこかでこの話はできたらと。
【トークイベントのご案内】
12月6日(土)午前10時30分~正午
「まちの書店とZINE」
書店で選書に携わる3人が、いま気になるZINEについておしゃべりします。
チケットは下記から
localbookstore.stores.jp/items/68d5f7c4…
※参加には会場への入場券も必要です(事前購入がおすすめです)
そして今週は編集業のほうでも大きめのセミナーイベントがあり、ぶじ手応えのあるかたちで終了した。ここ数年、自分としては編集やインタビューなどの仕事の延長でなんとなくイベントの企画や司会もやってきたのだけれど、なんというか、最近ようやく自分の中で少しだけ「専門性」として輪郭が見えてきたような気もする。もちろんまだまだではあるのだけれど。
思えば2025年は開業以来、bookpondで4本のTALK LIVEを開催した(プレオープン時も含めれば5本)。
そのいずれもが、当初は予想もしなかった、しかし結果的にはとても必然性のある方向に対話が進んでいく、ライブでの即興演奏さながらの刺激的な時空間になった。登壇者どうしも初対面というケースがほとんどで、何冊かの書物だけを出発点に、現場に来るまで何が起こるかわからない面白さが(企画者の僕自身)存分に味わえた。
そしてありがたいことに、哲学者の谷川嘉浩さんをはじめ、bookpondのTALK LIVEの企画力や独自性をお褒めいただく機会も増えた。書店イベントがたくさんある中でbookpondのTALK LIVEならではの面白さがあるのだとしたら、それはとても嬉しいことだし、これからも鍛錬を続けていきたい。まだまだやりたい企画がたくさんある。
場所の制約上、どうしても参加者は限られた人数にならざるを得ない。しかし、それゆえに登壇者の方々と近い距離感で、終演後も直接濃密なコミュニケーションを取っていただけるのも醍醐味のひとつではないかと思う。(ネガティブな意味ではなく)意外にも登壇者の方々の著書を読むのはこれからというお客様も珍しくなく、先にTALK LIVEの場で濃密な言語的・身体的な情報を浴びてから本を読むという、なんとも贅沢な経験すら実現している。
そして2週間後に迫った12月のTALK LIVEはそのひとつの集大成であり、なおかつ新しい局面に差しかかる、そんなイベントになると確信している。
いつも年の瀬になると、政治・経済・カルチャーなど、さまざまな専門性から一年を振り返る企画が開催される。 他方、トレンドや特定のジャンルにははめ込みきれない、その時代における「手触り」のようなものがあって、それは(いっけん逆説的ですが)時代の潮目に振り回されず、独自の問題意識や価値観のもとで本を読んでいる人にこそ感じとれるものだとも思っている。
このイベントでは、そんな優れた読み手でもある哲学者とエッセイスト(店主の考えではきわめて「人文」的な視座でものを考えているふたり)と具体的な本の話をしながら、そうした2025年の「手触り」に迫っていけたらと思い、企画したイベントだ。
僕が最も尊敬する書き手であり読み手である、哲学者の下西風澄さんとエッセイストの生湯葉シホさん。このお二人も(例に漏れず?)今回がお互いに初対面で、どんな化学反応が起こるのか、とても楽しみんしている。2026年の読書、そして生活や仕事、制作の重要な指針を持ち帰っていただける時間になるはずだ。
これまでbookpondのTALK LIVEに来たことがあってその良さを感じてくださった方、あるいは未参加だけれど気になっていた方、ぜひ気軽に遊びに来てほしい。年の瀬でみなさんが多忙な時期ということもあり、ややここ数回の中では申込がゆるやかで、でもそれゆえに濃密な時間が過ごせるはずだ。
さて、というわけで今日は「本は港」2日目。bookpondがお店として出店する日。当日参加もできるはずなので、ぜひ遊びに来て下さい。
すでに登録済みの方は こちら